ぬか漬けの捨て漬け野菜は何がいいの?
お手入れのコツもプロが伝授
ぬか漬けを手作りする上で大切な「捨て漬け」。「ぬか漬けの捨て漬け野菜は何がいいの?」「捨て漬け中のお手入れのコツはあるの?」など、初心者さんへの疑問に、老舗漬物店・畠田商店がアドバイスします。丁寧にお手入れをしながら、じっくりぬか床を育てましょう。
1.ぬか漬けの捨て漬けとは?
ぬか床は、塩や水を混ぜただけでは、すぐに漬けることができません。初期のぬか漬けには、乳酸菌が発酵しておらず、食材を漬けても塩辛いぬか漬けができてしまいます。そのため、本漬けを始める前に、野菜に付着している乳酸菌を加え、ぬか床の発酵を促す「捨て漬け」をする必要があります。
地道で手間がかかる作業ですが、ぬか漬けのおいしさを左右する大事な工程。乳酸菌をじっくりと増え、ぬか床がしっかり育つように、大切にお手入れしましょう。香りや感触の変化を観察してみると楽しいですよ。
2.ぬか漬けの捨て漬けに向いている野菜は?
ぬか漬けの捨て漬けに使う野菜には、向き不向きがあります。捨て漬けに適した野菜は、大根やキャベツなど水分の多い野菜。切れ端や皮、芯など料理で余ってしまう部分でOKです。鮮度の良い野菜の方が水分が多いので望ましいです。漬け終わった後の捨て漬け野菜は、かなり塩辛いので捨てましょう。
3.捨て漬けに不向きな野菜があるの?
一方、ぬか漬けの捨て漬けには不向きな野菜もあります。ごぼうやナスなどアクの強い野菜、ニンニクや玉ねぎなど香りの強い野菜は、アクや匂いがぬか床にも移ってしまい、ぬか床の風味を損ねてしまう可能性があるので注意しましょう。
4.捨て漬け中のお手入れ方法
最初の捨て漬け野菜は、野菜の乳酸菌発酵を促すために、かき混ぜずに放置します。3日ほど経過したら、捨て漬け野菜を取り出します。取り出した野菜に付いたぬかには乳酸菌がたくさん付着しているので、拭って容器に戻しましょう。また、より発酵を促進させるために、捨て漬け野菜から出る汁を絞ってぬか床へ入れてみてください。
ぬか床をしっかり混ぜた後、新しい捨て漬け野菜を容器に入れて、底のぬかを表面に出すように1日2回程度かき混ぜます。3~5日経ったら野菜を捨てる。これを約2~3週間繰り返すとぬか床が完成!途中、味見をしながらぬか床の成熟具合を確認してみましょう。
適切な管理のもとに育てたぬか床は、漬ければ漬けるほど熟成して栄養もうま味もアップ。老舗漬物店の畠田商店では、創業以来ぬかを継ぎ足し続け、伝統の味を守り続けています。ぬか床を大切に育てて、日々の食卓にぬか漬けを取り入れてみましょう。