京すぐきは、冬に育った新鮮なかぶらの一種であるすぐきを、“塩”のみで漬けて作ります。この漬物は、野菜を乳酸発酵させて漬け込んでいるため、味わい深い酸味がクセになるのが美点です。
漬物の特徴
京すぐきは、塩漬けをした酸味がアクセント。千枚漬・しば漬と並んで、京都三大漬物と呼ばれるほど冬を代表する漬物となっています。
そんな京すぐきは、原料のすぐきの多くが京都府内で生産されているため、流通量も少なく京都以外ではなかなか馴染のない漬物。江戸時代初期頃から、上賀茂の特産として扱われてきました。上賀茂社家からは、洛中への初夏の贈り物として毎年使われていたとされる高級贈答品です。
京すぐきは漬け込む過程で乳酸発酵を行うため、さわやかな酸味を味わえるだけでなく、熟成されたコクと噛めば噛むほど広がる甘味、そして素材そのもののほろ苦さがマッチして味に奥行きをつけてくれます。
塩だけで漬け込んでいますが、味のバランスがしっかり取れており、食感はチーズのようでクセになるのが特徴です。べったら漬と並ぶ冬の代名詞とも言える名物漬物でもあり、一味違った味の深みを感じられます。
そのほかこの漬物は、ラブレ乳酸菌を豊富に含んでおり、整腸作用、免疫細胞のバランス調整、血清コレステロールの低下作用などに加え、手足や腰の冷え、肩こり、腰痛などの傷みなど更年期症状の改善も期待できます。
※ただし、一度に大量に摂取しただけでは効果は得られません。体を改善するためには、少しの量を長く体内に取り入れ続けることがポイントです。
漬物の製法
すぐきの味を存分に引き出せるよう、発酵の温度と時間をしっかり管理して作り上げています。結果、さっぱりとした口当たりと、すぐき本来の旨みをギュッと詰め込んだ漬物となりました。
おいしい食べ方
軽く水洗いし、ヌメリを落として一口大に切り、そのままお召し上がりください。醤油との相性は抜群です。また、炊き立てのご飯と一緒におかずの一品としてシンプルに召し上がるのもおすすめです。
細かく刻んでサラダに混ぜ込んだり、炒飯や味噌汁などに入れたりと幅広く使えるのも良いでしょう。
よく合うお酒
京すぐきは程良い塩分を含み、酸味もあるため、ワインや日本酒などのお酒との相性も悪くありません。すぐきかぶらは冬が旬なので、熱燗にも良く合います。