漬物の下処理について「かぶら漬の下処理のお話し」
料理に下処理はつきもの。むしろ下処理が料理の味を決める、といっても過言ではありません。
漬物も立派な料理ですから、当然のことながら丁寧な下処理が必要です。
野菜を加熱処理することなく、乳酸菌と塩分だけで素材の風味を活かす漬物において、下処理は重要なパートを占めます。
今回の記事では、「かぶら着け」の下処理について詳しくご説明していこうと思います。
かぶらのへたを切る
まずはかぶらのヘタを切ります。へたと一緒にかぶらの葉を落とすお店もあるようですが、当店では葉の部分も残して漬け込みます。なぜなら、歯や茎の部分も美味しい漬物となるから。白い実の部分と違った風味と歯ごたえの葉や茎は、コレはこれで美味しいですよね。
かぶらの皮を可能な限り薄く丁寧に剥く
かぶらのへたを取ったら、次に実の部分の皮を剝いていきます。このとき実の皮は、可能な限り薄く剝いていくこと。かぶらは繊細な野菜ですので、雑に皮むきをすると大切な実の部分も削ぎ落してしまうので注意が必要です。
かぶらに刻みを入れる
へたを落として皮をむいたかぶらに、畠田商店では包丁で刻み目を入れるようにしています。このとき刻み目を入れる間隔は約2ミリ。2ミリ間隔で刻み目をいれることで、漬物の味が均一になり、より食べやすくなります。
かぶらを水洗いする
ここまでかぶらを下処理したら、よく水洗いを行います。かぶらの葉の付け根は砂を噛んでいることがあるので、その辺もよく確認するように注意しながら水洗いします。こういった当たり前の気配りが、美味しい漬物には欠かせません。
樽への漬け込み
水洗いが終わったら、いよいよ樽を使った漬け込み作業です。樽に円を書くように、かぶらを丁寧に並べます。
塩を振るタイミング
樽にかぶらを並べるのと同時に塩を振るのですが、野菜を一段重ねるごとに塩を適量振るのが畠田商店のポイントです。
重しをかける
最後に水を足さず蓋をし、20キロの重りを乗せます。重しをしたら、冷蔵庫で一晩漬けて塩をよく野菜になじませます。
出来上がりとポイント
樽を一晩冷蔵庫で寝かせたら、樽からかぶらを出しさっと水で洗いながしてから、葉を巻いて完成となります。
ポイント
水を無駄に足さないことによって、かぶら本来の香りとシンプルながら深い味わいを出すことが可能になります。